古代アメリカ学会第5回西日本部会研究懇談会のお知らせ

第5回西日本部会研究懇談会を以下の要領で開催します。ふるってご参加下さい。また非会員の方も参加できますので、関心のお持ちの方にはぜひお声をおかけ下さい。参加の事前登録は必要ありません。

〔研究懇談会概要〕

 今回の研究懇談会では「古代アメリカの祭祀・儀礼研究」と題して、メキシコのテオティワカン遺跡とペルーのパコパンパ遺跡を事例とした二本の研究が発表されます。さらに議論を深めるためコメンテーターを迎え、議論を広げたいと思います。是非この機会にふるってご参加いただき、有意義な会としましょう。

発表1黒曜石を用いた世界観の物質化―テオティワカンの埋葬墓における型式分類と空間分析より―

【発表者】千葉裕太愛知県立大学国際文化研究科博士後期課程

【コメンテーター】青山和夫(茨城大学教授

【概要】

 古代メソアメリカにおいて、黒曜石は利器製作の主要石材であると同時に、権力の象徴など多様な役割を担っていた。本発表では、テオティワカンの「月のピラミッド」内、「埋葬墓5」より出土した黒曜石の型式分類と、GISを用いた空間分析から、黒曜石の象徴的利用について議論する。

 テオティワカンは、その都市景観自体が当時の宇宙観を表現している。その重要なモニュメントの一つである「月のピラミッド」内部の埋葬墓においても、副葬品それぞれの遺物レベルや、これらの複合的な位置関係に、世界観が表現されていると考えられる。

 分析からは、テオティワカンの建築軸や天体の方位軸が、副葬品の配置にも組み込まれていることが判明した。黒曜石は、その形や位置、個数により神話的世界観を表現する、舞台装置として利用された可能性が見出された。本発表ではこれらの分析結果をGIS図面等を用いて示すと共に、今後の研究の課題を述べる。

 

発表2パコパンパ遺跡における威信財の儀礼的製作と廃棄に関する一考察

【発表者】荒田恵国立民族学博物館外来研究員・関西大学非常勤講師

【コメンテーター】佐藤吉文(南山大学人類学研究所非常勤研究員・神戸市外国語大学非常勤講師)

【概要】

 パコパンパ遺跡から出土した石器、骨角貝器、土製品および金属器の分析で、同遺跡において、儀礼の際に用いる道具を含む威信財の製作が行われていたことが明らかになった。さらに近年の調査で、これら威信財の製作は、埋納儀礼および饗宴儀礼にともなう儀礼的廃棄を目的として行われ、製作から廃棄までの一連の行為がエリート層によってコントロールされていたという見通しが得られつつある。

 儀礼的廃棄に関しては、すでに他の遺跡でも報告例があり、饗宴儀礼との関連性が指摘されている。さらに、饗宴儀礼にともなって廃棄されたものなかには、儀礼の際に用いられたと思われる道具の未製品が一緒に廃棄されている場合もあることから、近年では製作の段階から儀礼的であったという解釈がなされている。

 そこで本発表では、パコパンパ遺跡から出土した資料の分析をもとに、同遺跡における威信財の製作から廃棄までの一連の行為が儀礼的であったかどうかを、エリート層によるコントロールとの関連性を考慮しながら考察する。

 

〔日時〕 201679

・開会あいさつ 13:30

・発表1 13:3514:35

・コメントおよび質疑応答45

・小休憩(15分)

・発表2 15:3516:35

・コメントおよび質疑応答45分(17:20終了予定)

 

〔会場〕京都文化博物館別館旧日本銀行京都支店)2階講義室

http://www.bunpaku.or.jp/info/access/

・別館の入口は三条通沿いです。本館入口(高倉通)と異なりますので、ご注意ください。

 

〔連絡先〕

・西日本部会幹事・村野正景(京都文化博物館)m-murano*bunpaku.or.jp

・古代アメリカ学会事務局jssaa*sa.rwx.jp

(上記アドレスの*を@に換えて下さい)