古代アメリカ学会第6回東日本部会研究懇談会のお知らせ

6回東日本部会研究懇談会を以下の要領で開催します。ふるってご参加下さい。また非会員の方も参加できますので、関心のお持ちの方にはぜひお声をおかけ下さい。参加の事前登録は必要ありません。

〔研究懇談会概要〕

「古代アメリカの土器」と題した今回の研究懇談会では、パナマにおける中米最古の土器と、ペルー北部高地におけるアンデス形成期の土器に関する研究が発表されます。いずれの研究も、土器を分析対象として深く絞り込んだ論考です。さらに議論を深めるためコメンテーターを迎え、議論を広げたいと思います。また学会員の枠を超えて西アジア考古学の専門家を招き、古代アメリカという枠も超えた、発展的な議論の機会にしたいと思います。是非この機会にふるってご参加ください。

発表1「パナマにおける土器の出現(約4500320014C BP)とその使用法および定住度との関係について」

【発表者】飯塚文プロジェクト究員、カリフォルニア大セド校、人文社

【コメンテーター】松本雄一(山形大学准教授)、小敬寛(東京大学総合研究博物館特任助教)

【概要】

 従来、土器の出現は農耕と定住が関連すると指摘されたが、非定住型の更新世狩猟採集民によっても土器が作られるなど、世界各地の状況が多様であることが分かってきた。パナマのモナグリーヨ土器(約4500320014C BP)は中米最古の土器である。この土器技術の採用者は種子と根菜食物を栽培する焼畑農耕民であり、小規模な集落から形成される平等主義に基づく社会を作っていたと評価された。しかし、土器の使用法、生産地と流通、およびそれと関連する定住度といった点はまだ不明である。本発表では、土器の埋没後続成、産地同定と製作技術の分析から、生産地と流通、および製作者の意図した使用法について論ずる。結果、モナグリーヨ土器は(1)太平洋岸半島部と太平洋側山麓部の定住民によって主に調理目的で作られたこと、(2)太平洋岸平野部の中間地点で特産物を入れた容器として交換されたこと、(3)太平洋岸山麓部からカリブ海側に運搬されたことが推測された。

 

発表2ペルー北部高地パコパンパ遺跡の儀礼と社会階層化―土器製作・流通・消費分析から―

【発表者】中川渚(総合研究大学院大学博士課程)

【コメンテーター】井口欣也(埼玉大学教授)、小敬寛(東京大学総合研究博物館特任助教)

【概要】

 アンデス形成期は、土器や公共建造物が出現し、遠距離交易が活発する時期であり、階層化が始まる社会であるとされてきた。しかし一方で、近年の研究成果から、同時期における中央アンデス内の社会政治的な地域差が明らかになっており、それぞれの文脈で社会プロセスを明らかにすることの重要性が見直されている。本発表で対象とするペルー共和国カハマルカ州に位置するパコパンパ遺跡では、発掘調査の結果、金製品を伴う墓が検出されるなど、形成期中期から形成期後期にかけての社会階層化の痕跡が認められており、時期を同じくして土器製作にも変化が起こる。また2014年の調査成果から、社会階層化と同時期に儀礼が活発化したことが明らかとなった。本発表では、2010年から2015年にかけて実施した土器の製作・流通・消費に関する分析成果から、パコパンパ遺跡における儀礼と社会階層化およびそれらの関連性について考察する。

〔日時〕2016611日(土)

・開会あいさつ13:25

・発表113:3014:30

・コメントおよび質疑応答45

・小休憩(15分)

・発表215:3016:30

・コメントおよび質疑応答45分(17:30ごろ終了予定)

〔会場〕:東京大学本郷キャンパス総合研究博物館7階ミューズホール

http://www.um.u-tokyo.ac.jp/information/map.html

・博物館の正面玄関より入館し、常設展会場を経由して、案内に従いエレベーターホールにお越しいただき、階段の左側のエレベーターで7階にお上がり下さい。階段の右側のエレベーターは6階までしか上りません。

〔主催〕:古代アメリカ学会

〔連絡先〕

・東日本部会幹事・福原弘識(非常勤講師)hironorifukuhara*gmail.com

・古代アメリカ学会事務局jssaa*sa.rwx.jp

(上記アドレスの*を@に換えて下さい)