古代アメリカ研究会会報No.9(発行2001年1月)

 役員会会誌『古代アメリカ』第4号編集委員会からのお知らせ会報およびホームページに関するお知らせホームページへのアクセス障害および更新について(お詫び) 役員の任期について(お伺い) シンポジウム報告新入会員名簿研究会紹介事務局からのお知らせ編集後記

 

古代アメリカ研究会役員会

日 時 : 2000年12月10日(日曜日)午後2時〜
場 所 : 駒場エミナース
出席者 : 大貫良夫、井口欣也、横山玲子、杓谷茂樹、馬瀬智光、渡部森哉
委任状 : 八杉佳穂、関雄二、多々良穣、柳沢健
議 長 : 大貫良夫
書 記 : 馬瀬智光

●議題

  1. 2000年度決算について
    1. ) これまで海外在住会員には国内在住者と同様郵便振替を送付し、一時帰国の際年会費を支払うよう求めていたが、未納者が多い。今後、銀行口座を開設し、海外から送金できるよう検討する。
    2. ) 未消化予算が多いため、会報のボリュームを増やす等の意見がでた。


  2. 会誌『古代アメリカ』第4号について
    1. ) 現在、依頼原稿として、論文2本、研究ノート1本、書評2本、前号杓谷論文のコメントとリプライがある。他に投稿論文が2本あり、1月10日を目途に査読中である。現段階では頁数が増加すると予想されるが、未消化予算もあることから、多少頁数が増加することについては問題ないとの結論に至った。
    2. ) 会誌の後ろに会員の調査歴を載せることにする。4号では2000年1月から12月までに行われた個人、グループの調査内容を予定している。(詳細は後述)


  3. 2001年度総会、研究発表会について
    1. ) 会長が5月14日から約2週間海外出張のため、6月9日、16日、23日を候補日とした。出席者約70名程度を見込み、第一候補に埼玉大学、第二候補に東京大学として会場確保に当たる。(後述のように6月16日埼玉大学での開催に決定)
    2. ) 事務幹事の渡部氏が2001年4月より2年間ペルーに滞在するため、2001年4月より6月の総会・研究発表会まで長谷川悦夫氏に事務幹事代行を依頼することに決定。
    3. ) 次回会報9号に発表予定者の募集を行う。


  4. ホームページの活用について
    1. ) 長期にわたって、ホームページが利用できない状態であったが、最近再開されるようになった。しかし、役員以外にはほとんど伝わっていない。
    2. ) ホームページの更新についてこれまで、事務幹事が作成者の松本氏と連絡を取り進めてきたが、今後、更新の頻度を上げるため複数の役員が松本氏と直接連絡し、更新作業を効率化することを検討する。


  5. 事務幹事について
    総会の項目でも議論されたが、2001年4月より6月の総会・研究発表会まで長谷川悦夫氏が代行する。

  6. 2001年度予算について
     以下のような予算案を立てた。

    収入の部
    2000年度繰越金 200,000円
    会費収入 488,000円
    その他(大会参加費など) 2000,000円
    合計 738,000円


    支出の部

    会報発行・発送費 30,000円
    総会・研究発表会開催補助費 30,000円
    役員会旅費補助 250,000円
    通信費(役員会、総会の連絡) 25,000円
    ホームページ開設維持費 4,000円
    会誌発行・発送費 350,000円
    消耗品 10,000円
    予備費 39,000円
    合計 738,000円



  7. 新入会員について
     新入会員2名承認。斉藤秀樹氏の退会を承認。

  8. その他
    1. ) 役員の多選について、杓谷茂樹氏から、役員の任期を連続2期までとする会則改正案が出された。これに対し、選挙で選ばれる役員とそうでない役員を分けて考えるべきであるとする意見が出た。現在、選挙で選ばれる役員は、会長・代表幹事・事務幹事・監査委員2名の合計5名である。次回会報でこの問題に関して会員の意見を聞くことにする。
    2. ) 役員の多々良氏から、ホームページと会報を充実させるべきであるとの意見が出た。今後、ホームページには各地域のゼミ紹介、書籍紹介、調査概況、入会の案内を掲載することを検討する。ただし、ホームページの更新がコンスタントにできるまでは、会報を併用する。また、会報には、長めの調査内容や読書感想文を載せてはどうかとの意見がでた。
    3. ) 次回、会報で研究発表会の発表希望者を募ることにする。締め切りは2001年2月 いっぱいとする。質疑応答も含め、発表時間は30分とする。


会誌『古代アメリカ』第4号編集委員会からのお知らせ

次号、『古代アメリカ』第4号から、「会員の活動状況」を掲載することになりました。日頃、会員の方々がどのような調査・研究活動を行なっているのか、個人あるいはグループでの調査活動について、原稿をお寄せ下さい。

  1. 『古代アメリカ』第4号掲載分の活動状況:期間と内容
    期間 :2000年1月から12月までに行なわれた調査・研究活動
    内容 ・現地、および国内での調査活動
    ・執筆・発表された著書・論文
  2. 字数
     多くの方々の活動状況を掲載するために、上記各1件につき、200字程度の簡単な文章をお寄せ下さい。なお、より詳細な報告、意見、感想などは、会報に掲載いたします。

  3. 提出方法と宛先
    提出方法 :郵送および電子メール
    宛先 :古代アメリカ研究会会誌編集委員会事務局
    〒466-0831 名古屋市昭和区花見通1-5-1
    メゾン川原4A
    杓谷茂樹 shakuyas@mx2.harmonix.ne.jp

  4. 締切り:2001年2月末日


会報およびホームページに関するお知らせ

 会員の方々に、古代アメリカ研究に関する多くの情報を提供するために、会報およびホームページの内容を充実させたいと考えております。つきましては、皆様の研究活動などについて、情報を提供して戴きたく、お願い申し上げます。

  1. 会報
     年2回の発行となりますので、情報の提供がやや遅くなります。そこで、1件の情報量を多くし、ある程度まとまった内容でお伝えしたいと思います。400-800字程度の掲載が可能です。

  2. ホームページ
     最新情報をできるだけ早くお伝えすることができると思います。長々とした文章よりも、要点をまとめた、コンパクトな形で情報提供したいと思います。200-400字程度の掲載が可能です。

  3. 内容
    • 調査・研究概報)
      これまでも会報で取り上げて参りましたが、古代アメリカに関する国内および現地での調査報告をお寄せください。今、誰が、どこで、どのような調査をしているのかということは、なかなか伝わり辛い情報です。会員の皆様の研究活動を活発化するためにも、是非情報提供をお願い致します。

    • 著書・論文紹介)
       古代アメリカ研究に関わる著書や論文などを、随時紹介したいと思います。ご自身の著書や論文を紹介したもの、最近読まれたものなど、簡単な内容紹介およびご意見・ご感想などをお届けください。

    • 研究会活動)
       現在、古代アメリカを研究対象とする研究・教育機関が増えてきており、各地で小規模な研究会が開催されています。しかし、これらの情報をまとめてお伝えする場は、あまり見られません。研究会の内容について、外部からの参加の可否なども含めてご紹介させて頂きたいと思います。

  4. 提出方法と宛先
    提出方法 :郵送および電子メール
    宛先 :古代アメリカ研究会事務局


ホームページへのアクセス障害および更新について(お詫び)

昨年秋より、「古代アメリカ研究会」ホームページへのアクセスができない、という障害が生じておりました。ご迷惑をお掛けして、大変申し訳ございません。新しいURLは以下の通りです。

http://hammer.prohosting.com/~antigua/

 研究活動報告などを含め、より充実したページを作成し、より多くの情報を提供するよう、努力して参ります。また、「掲示板」が充分に活用されておりません。会員の皆様におかれましては、是非「掲示板」を利用して、研究の活性化のみならず、会員相互の親睦を図って戴きたいと存じます。


役員の任期について(お伺い)

先に開催された役員会において、役員の任期に関する問題が取り上げられました。「古代アメリカ研究会」発足以来、役員選出選挙を行なって参りましたが、選出される会員が限定される傾向にあります。この問題に対し、役員会では主に次のような意見が出されました。第一に、役員の連続任期を2期までとする規約改正を行ってはどうか、第二に、選挙によって選出される役員と、任意に選ばれる役員とは、区別して考えるべきではないか、という意見です。役員会では、役員の多選について会員のみなさんのご意見を伺うことで合意しました。この問題について、会員の皆様から、忌憚のないご意見を頂戴したいと思います。古代アメリカ研究会事務局までお寄せ下さい。


シンポジウム参加報告

ワリ・ティワナク国際シンポジウムに関する報告

 去る2000年の8月18、19、20日の3日間にわたって、ペルー共和国、リマ市のカトリック大学において、「ワリとティワナク:モデル対証拠(Wari y Tiwanaku. Modelos vs. Evidencias)」というテーマで第3回国際考古学シンポジウムが開催された。ワリとティワナクに関する大規模な国際会議としては、1985年にアメリカ合衆国、ワシントンD.C.のダンバートン・オークス研究所で開かれた国際会議以来のものである。ワリ・ティワナクに関する近年の研究動向の紹介という意味も込めて、このシンポジウムの様子について報告したい。

 発表は研究対象の地域別に区分された日程によって行われた。18日は一般研究とペルー北部および中央部での調査成果の発表が行われ、19日はペルー中央部から南部にかけての地域を、20日はボリビアとチリを対象とした研究の発表が行われた。発表者としてはペルー、チリ、アメリカ合衆国、カナダ、ドイツの5カ国から40名ほどの参加があった。しかし残念ながら、予定されていたボリビア人研究者による発表は行われなかった。発表は朝9:00に始まり、途中休憩を挟みながら夜7:00まで続いた。また、このシンポジウムはカトリック大学の法学部講堂で行われたが、200名ほど収容できると思われる会場は、連日ほぼ満席であった。

 さて、発表内容に関してであるが、ワリ・ティワナク研究において幾つかの進展がみられた。まず、1985年の国際会議と比較してみると、最近の研究の焦点は共通性から多様性へと移っている。1985年の国際会議は、建築に注目しワリの行政体系を明らかにしようとするものであったが、そこではワリ関連遺跡の建築に見られる共通要素に焦点があてられていた。しかし、今回の発表では、ワリ領域内、ティワナク領域内の多様性、地域性に目を向けたものが多かった。特にティワナクに関する発表では、ティワナク遺跡内部に見られる土器の多様性に注目したもの、モケグア地域におけるミドル・ホライズン期の集落別の物質文化パターンの差異に注目した発表があった。これらの発表は、遺物分析が進んだ結果、発掘調査直後の解釈が見直されていることを示していた。

 また、ワリとティワナクの領域の問題に関する進展もみられた。まず、ワリ領域の北方の境界に関して、ペルー北海岸のサン・ホセ・デ・モーロ遺跡における調査成果に関する報告が興味深かった。この調査によってワリの領域の海岸部における北限に関して詳細な情報が集まりつつあるのと同時に、モチェとの関係も明らかになりつつある。また、ペルー南部のオコーニャ川流域の調査に関する発表は、ワリ−ティワナク間の境界の問題を考える上で、以前から注目されているモケグア地域の調査に加え、この地域の調査の重要性を訴えるものであった。

 ワリとティワナクの具体的な拡大過程に関するデータも、各地の調査により蓄積されつつある。ワリの拡大に関する発表として、ミドル・ホライズン期のペルー中央高地北部、カエホン・デ・ワイラス地域の社会変化、ペルー中央高地南部のソンドンゴ地域と南部海岸ナスカ地域の社会変化に関するものなどがあった。一方、ティワナクの拡大に関するものとして、ボリビアのコチャバンバ地域での調査に基づく発表があった。

 最後に、ペルー中央高地南部のコンチョパタ遺跡での調査に関する発表に触れてみたい。この遺跡はワリの成立過程に深く関係していたと考えられており、近年継続的に発掘が行われている。報告者自身1998年と2000年の発掘に短期間参加している。コンチョパタ遺跡の調査成果に関する発表は、最も出席者の注目を集めたもののひとつである。この遺跡はJulio C. Telloの発掘によって、ティワナク遺跡の「太陽の門」に彫刻された図像と酷似する図像をもつ土器が出土した遺跡として有名であるが、今回の発表では近年の発掘によって出土した、ティワナクとの交流を示唆する新たな土器図像の報告があった。それは葦船に乗り楯と弓や斧をもった人物を表現したものであり、この図像がスライドで映し出されると出席者の間に歓声がわき起こった。ほかにも女性の乳を飲むジャガー像などの興味深い図像が紹介された。さらに、建築形態の変遷過程、「宮殿」と考えられる建物跡の発見、土器を焼く炉の発見などが報告された。これらのデータはワリの成立過程の解明に大きく貢献するであろう。

 このように、全体としてワリ・ティワナク研究の進展を感じることが出来たシンポジウムであった。しかし中には、以前の研究をそのまま発表している場合もあり、必ずしも最新の研究成果の発表ばかりではなかった。また、テーマの「モデル対証拠」という観点からは、従来のモデルの検証を意識した発表が少なく、事例発表的なものが多かったのが残念な点である。

 なお、本シンポジウムの発表内容に関しては、論文集として2冊の雑誌にまとめられ、2001年の6月に第1冊が、2001年の12月に第2冊がカトリック大学から出版される予定である。

(総合研究大学院大学博士後期課程 土井 正樹)


新入会員名簿一覧

 以下の方々の入会が承認されました。2001年1月11日現在、会員数は125名となっております。

  • 河野康子
  • 土方美雄


研究会紹介

  1. 「プラタフォルマ研究会」

    東京大学文化人類学研究室に在籍する大学院生を中心とした研究会で、先スペイン期ア メリカ大陸について議論を行っています。主に発表者による研究報告が中心で、調査報告、 修士論文・卒業論文の構想や要旨の発表などを行ってます。 開催は不定期ですが、概ね月一回のペースで行ってます。土曜日の14時、15時頃から、 場所は東京大学駒場キャンパス14号館4階、407教室で行うことが殆どです。 参加希望者は誰でも参加できます。次回予告は古代アメリカ研究会のホームページの掲 示板にも書き込みます。詳しくは、長谷川悦夫(etzuo@aol.com)までご連絡ください。

  2. 「新大陸文明研究会」

    主催 :東海大学文学部文明学科・東海大学大学院文学研究科文明研究専攻
    経緯 :1988年秋発足。東海大学文学部および大学院に在籍していた学生の中に、16世紀以前の新大陸に興亡した諸文明についてもっと勉強・研究したいという意思があっても、授業だけでは賄えないという状況を教員側が憂慮し、研究会の発足に踏み切った。
    対象 :限定なし。これまで、東海大学の教員、大学院生、他学部他学科を含めた学部生と、他大学の学部生が参加。
    活動 :月2回の研究会を開催。場所は湘南校舎3号館6階、文明第24研究室。建学祭(11月上旬)にも、企画展示として学科・大学院主催で参加。
    内容 :@個々人の興味に沿って、古代アメリカ研究に関する論文をひとつ、ないし複数選択し、その論文を元に問題点や今後の研究方法などについて議論する。
    A現地調査の報告を行う。
    B論文作成中の学生が問題を提起するとともに、解釈等に関する試論を展開し、参加者による客観的批判を仰ぐ。
    連絡先 :〒259-1292 神奈川県平塚市北金目1117
    東海大学文学部文明学科 横山玲子
    Tel 0463-58-1211 内3044
    E-mail yokoyama@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp


事務局からのお知らせ

  1. 古代アメリカ研究会第6回総会・研究発表会のお知らせ
    日時 :2001年6月16日(土)午前中総会、午後研究発表会の予定
    場所 :埼玉大学・大学会館

    研究発表会での発表希望者は、題名と要旨(400字程度、ホームページに掲載)を事務局までメールでご連絡ください。締め切りは2001年2月末日とします。なお当日の発表時間は一人30分を予定しておりますが、発表者の人数等により変更があり得ることをあらかじめお断りしておきます。

  2. 知り合いの方で入会希望者がおられましたら、名前、ふりがな、住所、電話・FAX番号、電子メールアドレス、所属、関心分野を明記の上、入会希望の旨を事務局までメールまたは郵送でご連絡ください。

  3. 2001年4月より事務幹事を長谷川悦夫さんが代行します。アドレスはetzuo@aol.comです。事務局の住所は変わりません。

  4. 会費未納の方は同封の振り込み用紙で振り込んでください。

  5. 古代アメリカ研究会のメーリングリストを作る予定です。これによってホームページにアクセスできなくなっていた状況などの問題に対処する予定です。2000年5月現在の名簿のアドレスに間違いのある方、変更された方、新たに取得された方は事務局までご連絡ください。

  6. 会員の堀川佳子さんの転居先が不明です。知っている方がおられましたら事務局までご連絡ください。


編集後記

 12月に開催された役員会に出席させていただき、会員の皆様や役員の方々の意見をいろいろと伺うことができました。ここで指摘された事柄を今後どう生かしていくのかを、真剣に考えなければなりません。「古代アメリカ研究会」のあるべき姿が今模索されているのだと受け止めております。今回の会報は、「こうしたらどうか」という提示に終始した感があるかもしれません。しかし、皆様の意見を実現していくためには、このような叩き台も必要ではないかと思います。

 何だかやっているな、ではなく、何かをやっているのは我々自身であり、それらを総合的な視点から統合する時代がやってきたことを痛感しています。そのためには、会報を積極的に利用して情報公開に努めなければならない。役員会の意見は、まさにその点にあったと思います。今回は、さまざまなお知らせとともに、皆様の研究、体験に関する情報提供と意見を求めています。会員の皆様の協力をお願いします。会報担当になった時からずっと頼りにしてきた渡部さんが、ペルーへ留学することになりました。いろいろありがとうございました。頑張ってきて下さい。

(横山 玲子)

 

発行 :古代アメリカ研究会
発行日 2001年1月12日
編集 横山玲子・渡部森哉