古代アメリカ研究会会報No.8(発行2000年6月)

 役員会第5回総会第5回研究発表会随想調査案内会誌原稿募集新入会員名簿一覧事務局からのお知らせ編集後記
 

古代アメリカ研究会役員会

日 時 :2000年5月27日(土曜日)午前10時〜11時
場 所 :国立民族学博物館
出席者 :大貫良夫、高山智博、八杉佳穂、関雄二、杓谷茂樹、柳沢健司、多々良穣、馬瀬智光、渡部森哉
委任状 :中村誠一
議 長 :大貫良夫
書 記 :渡部森哉


●議題

  1. 研究会会誌「古代アメリカ」第3号編集報告)
    前回の役員会で報告した予定を変更し、論文1本、研究ノート3本、書評2本となった。

  2. 1999年度決算、及び2000年度予算案)
    1999年度決算については別紙参照、2000年度予算案は総会の項目参照。1999年度大会参加費は別会計としていたが、その余剰を2000年度予算に組み込むことに決定した。

  3. 第5会総会、研究発表会について)
    総会の議長に多々良穣、書記に杓谷茂樹を任命。研究発表会の座長を井口欣也、馬瀬智光、横山玲子、佐藤悦夫の各氏に依頼することで合意。

  4. 役員改選について)
    役員改選の選挙管理委員を亀井孝一、上山雅代、土井正樹の各氏に依頼する。

  5. 新入会員の承認)
    新入会員14名を承認。

  6. その他、研究会活動方針全般について)
    会報のボリュームを増やすことを検討する。


古代アメリカ研究会第5回総会

日 時 :2000年5月27日(土)午前11時〜12時20分
場 所 :国立民族学博物館第5セミナー室
議 長 :多々良 穣(東北学院榴ヶ岡高等学校)
書 記 :馬瀬 智光(京都市埋蔵文化財調査センター)


委任状41通、出席者25名で合計66名となり、定足数を満たし、総会が成立した。

  1. 会長あいさつ(大貫良夫)

     この研究会も100名以上を擁する研究会となった。テオティワカンをはじめ、ホンジュラス、グアテマラ、それにアンデスで日本人の研究者を主体とした調査が日々行われている。日本人の研究に対する役割が非常に増してきた。特に、現地住民との交流や研究を進めて行くにあたって、日本人の資質は優れており、中南米考古学の中で我々の役割は重要になるだろう。そして、当研究会と当会が発行する出版物も中心的な役割を果たしていくだろう。これからは、今まで以上に研究会、ホームページ、会報 への積極的な投稿が必要になってくる。

  2. 事務報告(渡部森哉)

    新入会員を含めた名簿を作成したので、誤字・脱字等がないか確認して下さい。

  3. 会誌『古代アメリカ』第3号編集報告(杓谷茂樹)

     『会報』第7号では、論文2本、研究ノート2本、書評2本の掲載を 予定していたが、執筆者の要望により、論文の内1つを研究ノートに変更 した。投稿論文は3本あったが、査読の結果、1本を第3号の研究ノート として採用し、1本を第4号に掲載することにした。

  4. 会計報告

    (1)1999年度会計報告(渡部森哉)
     決算報告の朗読(別紙参照)。
     拍手による承認。

    (2)1999年度監査報告(柳沢健司)
     上記決算書、並びに帳簿、領収書等を監査しましたところ、正確に記入、整理されていることを証します。
     拍手による承認。

  5. 会則の変更(渡部森哉)

     変更案は以下の通りで、下線部が変更部分である。

     第6条(権利)
    「(六)『会誌』の配布を受ける権利」、を追加する。

     第8条(機関誌の配布等)
    「『会誌』の配布は、第6条、及び本条第2項による他は、有償とする。
    『会誌』の頒価は発行の都度役員会で決定するものとする。
     2 研究機関等に対する『会誌』の配布は、その送付先の選定、送付方法など全て役員会の判断で行うものとする。」

     付則
    1. 本会の会費は、下記のとおりに定める。
       年額 4.000円
     ただし、海外に在住もしくは長期滞在している会員で、円貨以外の通貨で納入を希望するものについては、原則として年額40米ドルとする。


    挙手による議決の結果、参加25名全員の賛同を得られたため、変更案は成立した。

  6. 2000年度予算について(渡部森哉)

    ●収入の部
    前年度繰越金: 181,160円
    会費収入: 484,000円
    1999年度研究発表会参加費余剰金: 139,126円
    合計: 805,286円

    ●支出の部
    会報発行・発送費: 30,000円
    総会・研究発表会開催補助費: 30,000円
    役員会旅費補助: 250,000円
    通信費: 10,000円
    ホームページ開設維持費: 4,000円
    会誌発行・発送費: 300,000円
    消耗品費: 10,000円
    予備費: 170,286円
    合計: 805,286円


    拍手による承認。

  7. 役員改選

    選挙管理委員として、上山雅代、亀井孝一、土井正樹の3氏を選出。

    会長: 票数25票 内、無効票2票。
    投票結果: 大貫良夫16票、加藤泰建2票、八杉佳穂3票、関雄二2票で、大貫良夫氏の再選。

    代表幹事: 票数25票 内、無効票7票。
    投票結果: 馬瀬智光1票、渡部森哉2票、関雄二7票、青山和夫1票、杓谷茂樹3票、大平秀一1票、八杉佳穂1票、中村誠一1票、長谷川悦夫1票で、関雄二氏を選出。

    事務幹事: 票数26票 内、無効票2票。
    投票結果: 渡部森哉10票、杓谷茂樹9票、土井正樹3票、徳江佐和子1票、芝田 幸一郎1票で、渡部森哉氏を選出。

    監査委員: 票数52票 内、無効7票。
    投票結果: 杓谷茂樹5票、多々良穣13票、柳沢健司18票、土井正樹2票、井口欣也1票、馬瀬智光3票、高山智博2票、加藤泰建1票、長谷川悦夫1票、村上達也1票、横山玲子1票、坂井正人1票、鶴見英成1票で、多々良穣氏、柳沢健司氏の二名を選出。


  8. その他

     会長が運営委員として8名以内を選出するので、後日運営委員をお願いする方には、会長から連絡致します(大貫良夫)。
     ホームページは速報性に富むことから、文献や不明な事柄の質問にどんどん利用していただきたい。会報のほうは、海外での調査活動や研究の動向を掲載していきたいので、会員の方々からの積極的な投稿を期待しています(馬瀬智光)。
     以上、拍手をもって総会を終了した。


古代アメリカ研究会第5回研究発表会

 以下のプログラムで研究発表会が行われた。参加者は78人とこれまでで最大規模であった。

 1) ペルー北部高地、タンタリカ遺跡の発掘調査
... 渡部 森哉(東京大学大学院)
 2) インカ期カナラカイ遺跡分布調査報告
... 岩田 安之(金沢大学埋蔵文化財調査センター)
 3) アンデスのポリティカルエコノミー―先史ティワナク社会を例に―
... 中嶋 直樹(埼玉大学大学院修了生)
 4) 競合する政体―アンデス形成期における社会変化のモデル―
... 芝田 幸一郎(東京大学大学院)
 5) 洞窟遺跡出土の土器から見た古代マヤの洞窟利用―ベリーズ、チェチェム・ハ洞窟遺跡を一例として―
... 石原 玲子(筑波大学)
 6) メシーカ人の終末論的宇宙観
... 岩崎 賢(筑波大学大学院)
 7) マヤ文字はどれだけ読まれたか
... 八杉 佳穂(国立民族学博物館)
 8) 閉会の言葉
... 会長 大貫良夫


随想

第5回古代アメリカ研究会総会・研究発表会に参加して

 今回は、これまでの東京での開催とは異なり、5回目にしてはじめて関西地方での開催となった。関東地方の会員の出席者数が減って寂しい大会になるのでは、と内心心配していたのだが、午後の研究発表会の参加者は、当初広すぎるのではないかと思われていた民博のセミナー室で空席がほとんど目立たないほどの盛況振りであった。研究発表会は従来より発表者が多く、各発表者の熱意が感じられ実りある内容だったと思う。しかし、午前の総会の参加者数は26名と少なく、委任状によりようやく定足数に達した状況であった。確かに、研究発表会に比べると興味をひくという性格のものではないかもしれないが、総会はこれからの研究会の運営に関わるものであり、特に今回は役員改選などの重要な事項が含まれていた。今後、会員諸氏には極力出席していただきたい。なお懇親会では、研究内容について話したり、新しい仲間と出会ったりと、非常に有意義に時間を過ごせた。

 ところで、帰りの新幹線の中で出来立ての『古代アメリカ』第3号を読んだのだが、読みながらいくつかのことが頭に浮かんできた。今号の内容は、杓谷氏と井上氏の理論的論考と、杉山先生と鶴見氏の実地調査や一次資料を扱った論考などであった。それぞれ魅力的な内容だと思うが、そのうち杓谷氏の論文内容については、もちろんレベルは違うものの実は私も似たような構想を持っていたので、先を越されてしまったと感じた。もたもたしていた自分に腹が立ったし、忙しいという理由をつけて努力を怠った姿勢に反省もした。なお杓谷氏の論文については、できればきちんとした形でコメントが出せればと思っている。

 一方、杉山先生の論考を読んで、自分も現地調査に参加したいと強く感じた。やはり考古学者は、現地で調査して「なんぼのもの」であるのだから。今回の研究発表をした石原氏は、現在西部ベリーズ洞窟遺跡地域研究プロジェクトの主力メンバーである。彼女がプロジェクトの参加を勧めてくれたこともあり、副ディレクターの返答しだいでは、私も今夏そのプロジェクトに参加できるかもしれない。また前代表幹事の中村誠一氏は、現在コパン考古遺産保存統合計画のディレクターとしてホンジュラスで活躍されているが、彼からもプロジェクトへの参加を勧められている。

 私は高校教員をしているので、現地調査をすることはほとんど不可能に近い。ただ、今年は職場内の事情により、この夏休みであれば少々無理さえすれば何とかならないわけではない。是非今夏は実地経験を積み、できれば自分の研究資料も実見したいものである。

 活力を与えてもらった今回の研究会。あきらめかけていた仕事と研究の両立。2000年という区切りのいい今年の夏は、なんとか新しいステップを踏み出す契機としたい。その思いを強くしながら、帰路についた。

多々良 穣(東北学院榴ケ岡高等学校教諭)


調査案内

西部ベリーズ洞窟遺跡地域研究プロジェクト

 Belize Valley Archaeological Reconnaissance Project(BVAR)は、今夏もまた中米ベリーズの数多くの洞窟遺跡にて調査を行う予定です。これまでに本プロジェクトが手掛けてきた洞窟遺跡、Chapat洞窟遺跡・Halal洞窟遺跡・Barton Creek洞窟遺跡・その他新しく発見されている洞窟遺跡が対象となります。古代マヤのエリート階層の墓、石碑、壁画などに焦点を当て、古代マヤ文化における洞窟の位置付けの解明に当たります。アメリカ・ニューハンプシャー州立大学のベリーズ出身のハイメ・アウエ先生(Dr. Jaime Awe)率いる本調査の内容は、洞窟遺跡の探査・測量・洞窟の実測・発掘・データ収集などです。その他に、土器や石器、人骨の分析、出土遺物の整理作業など室内作業にも学生は参加します。

 さらに、調査意義の理解をより深めるという目的で、講義を通して、古代マヤ文明の概観を初めとし、マヤのイデオロギーや宇宙論を学び、洞窟利用の考察もはかっていきます。また、洞窟遺跡だけではなく、開地遺跡のピラミッドや他の建造物の発掘及び、未探査である広大な地域にわたっての踏査も同時に行います。さらに、古典期にベリーズ川渓谷に栄えた都市であるカハル・ペチ遺跡の調査も行われます。

 アウエ先生は、広大なTunichil Muknal洞窟遺跡を探査した初めての考古学者であり、その様子が1993年のナショナル・ジオグラフィック・エキスプローラーのドキュメンタリ映画"Journey through the Underworld"に記録されています。

 洞窟遺跡の調査は、一般的に知られている開地遺跡の発掘調査よりも肉体的な労働を要求されます。本プロジェクト参加の条件として、身体的に良好な状態であり、18歳以上であることを挙げています。洞窟探検経験者は大歓迎です。今夏も数人の日本人が参加する予定です。

 詳しくは、下記のホームページを参照してください。 http://php.indiana.edu/~casgriff/Belize/CAVE.html

 参加ご希望の方は、副調査団長、キャメロン・グリフィッス(Cameron Griffith)まで、下記の電子メールを通じて願書請求や質問等をお願いします。BelizeMaya@aol.com.

石原 玲子(筑波大学学生)


『古代アメリカ』第4号投稿原稿募集

 『古代アメリカ』第4号への原稿の投稿を募集します。詳細は寄稿規定、および執筆細目をご参照下さい。(なお、寄稿規定、および執筆細目にある「学会事務局」は、「編集委員会事務局」と読み替えて下さい)

 原稿の締切は、11月末日とします。

 投稿希望者は10月末日までに編集委員会事務局にメールまたは郵便にて申し出て、投稿カードの配布を受け、提出原稿に添付して下さい。

 なお、掲載の可否は規定による査読結果を踏まえて編集委員会が決定します。また、寄稿された論文は、編集委員会が、論文以外の種別(研究ノート)による掲載が適当と判断する場合があります。

投稿に関する問い合わせ先

 編集委員会事務局:
 〒466-0831 名古屋市昭和区花見通1-5-1 メゾン川原4A
 杓谷茂樹
 E-mail: shakuyas@mx2.harmonix


新入会員名簿一覧

 5月27日の役員会、及びその後の役員間の連絡で以下の方々の入会が認められました。2000年6月22日現在会員数は124名となっております。

  • 伊藤淳
  • 上田育子
  • 加藤つむぎ
  • 北村多賀子
  • 小柴和彦
  • 近藤優美子
  • 龍野一也
  • 千葉博俊
  • 中森祥
  • 南博史
  • 村上忠喜
  • 吉岡宏
  • 吉永史彦
  • 若林大我
  • 山本紀夫
  • 白鳥祐子
  • 杉下たまも
  • 笹尾典代
  • 廣田智子
  • 西野順二


事務局からのお知らせ

 新しい運営委員は大貫会長の希望で以下の方々にお願いすることになりました。

広報委員 :八杉佳穂
会報委員 :横山玲子
編集委員 :井口欣也 杓谷茂樹 馬瀬智光


 会費未納の方は、同封の振込用紙でお支払い下さい。


編集後記

 第5回研究発表会も盛況のうちに終わり、参加された皆さんの熱気に当てられていたところ、本年度より会報の編集を担当するよう、仰せつかりました。何をどうしてよいのやら、皆目検討のつかぬままに、発行の時期となってしまいました。もっと、いろいろ考えるべきだったと反省することしきりです。次回の会報には、もっとたくさんの活動報告や皆さまのご意見を掲載したいと思います。

 ところで、ホームページを覗いてごらんになりましたか?あちらこちらで、研究会や勉強会が開かれていて、中南米の研究も随分と地盤が広がったという印象を受けました。もっと伝言板を活用しようではありませんか。

 会報も、更なる情報の開示と共有化に役立つものとなるよう、工夫していきたいと存じます。

(R.Y.) 


 

発行 :古代アメリカ研究会
発行日 2000年6月22日
編集 横山玲子・渡部森哉