古代アメリカ研究会会報No.6(発行1999年6月)

 役員会第4回総会第4回研究発表会新入会員名簿一覧会誌 寄贈先一覧研究点描事務局からのお知らせ編集後記


古代アメリカ研究会役員

 1999年5月15日に東京大学教養学部14号館407号室にて役員会を開催しました。議題は以下の通りです。

1 99年度総会について
99年度予算を98年度決算に合わせ調整した。

2 代表幹事中村氏について
ホンジュラスにおり、実質上日本にはいないが、来年度の総会まで引き続き代表幹事
を務めてもらうことで合意した。それまで役員が中村氏と連絡を取り合うことにする。

3 会誌第2号編集報告
今回写真を掲載するのに一枚1000円かかった。次号から著者負担とする事を総会で承
認を受ける。抜き刷りは一部100円で、著者に実費を負担してもらう。

4 会費増額について
現在会費は2000円、会誌2000円であるが、これを合わせ会費を徴収したい。99年度
の総会で会員の意見をきき、2000年度の総会で議題にかけることにする。また、現在会誌は別会計で、赤字であるため、会費から補填するする事を総会で承認を受ける必要がある。

5 会誌の寄贈先を会報に載せる。

6 研究発表会について
今年度は別会計とする。会場によって参加費を決定する必要があり、年度ごとに決定
する。また、残金が出た場合、次年度への繰越金とする。

7 学会登録について
学会登録をめざし、研究会を運営していくことにする。学会登録の条件として活動を始めてから3年以上という条件があるため、早ければ来年度の総会で承認を受け申請
することが出来る。

8 新入会員、脱会会員について
新入会員5名、脱会会員2名承認した。

9 今年度総会について
司会:関、書記:馬瀬、がつとめる。

10 会誌第2号について
 2000円で販売する。


古代アメリカ研究会第4回総会

 去る1999年5月15日(土)に古代アメリカ研究会の第4回総会・研究発表会
が行われました。総会の内容は以下のとおりです。

1 会長あいさつ
 研究会会誌も創刊号に続き、第2号も今回発行されました。編集に携わった役員の方々にはお礼を述べたいと思います。
 ところで現在この研究会を学会として日本学術会議に登録するよう活動していきたい
と考えております。それにはまず何よりもレベルアップを目指していきたいと思います。
 また、最近は日本人研究者の活躍も目立っており、テオティワカンのような遺跡まで、発掘調査を行うようになっており、喜ばしいことであります。

2 議長選出
 議長 関 雄二(国立民族学博物館)
 書記 馬瀬智光(京都市埋蔵文化財調査センター)
 委任状31通、出席者23名、計54名の参加により、総会の定足数である会員の
過半数を満たしているため、この総会は成立します。

3 事務報告(渡部森哉)
 代表幹事の中村誠一氏はホンジュラスに出発され、長期間日本を離れられます。役
員会では代行を立てることも検討しましたが、来年の総会までは現行のまま中村氏に
代表幹事をしていただき、他の役員がそれを補佐することで活動をしていきたいと考
えております。
 新入会員5名、脱会会員2名を承認し、現在の会員数は96名になりました。
 古代アメリカ研究会のホームページが開設されました。これは現在、南イリノイ大学在学中の松本剛氏に依頼して開設されています。現在は、会報や会誌の目次といった簡単な内容しか掲載しておりませんが、今後徐々に内容を充実させて参りたいと考えております。なお、ホームページに掲載希望の方は、会報委員の馬瀬智光または事務幹事の渡部まで連絡下さい。
 先程、会長からお話がありましたが、学会申請を出来るだけ早く行いたいと考えております。その条件として、日本学術会議に問い合わせたところ、会員の会費による運営、学部学生を除く会員が100人以上いること、会誌を年1回以上発行すること、そして活動を始めてから3年以上等の条件があります。学部学生の占める割合は現状では低いので、登録条件の100人まではあとわずかです。

4 会誌編集報告(杓谷茂樹)
 ISSN番号を導入しました。1344-8366です。
 今回の印刷費は「創刊号」に比べて高騰しました。写真一枚を掲載するのに、1000円かかります。第3号からは写真掲載者からは実費を頂くことを考えております。
 「会誌 第2号」の見積もりは、約230,000円になりました。
 販売価格を2,000円とし、発行部数は200部、寄稿者の希望により一部100円にて抜
刷りを発行します。

5 平成10年度会計報告(渡部森哉)
(1)一般会計報告(渡部森哉)。 決算報告の朗読。
(2)会誌会計報告(渡部森哉)。 決算報告の朗読。
(3)監査報告(多々良穣、柳沢健司)。「決算書並びに、帳簿、領収書等監査しましたところ正確に記入、整理されていることを証します。」
  以上、出席会員の拍手により承認された。

6 平成11年度予算報告(渡部森哉)
 「会報 第5号」に掲載したものを訂正して報告した。
収入 会費186,000 前年度繰越金340,467 合計526,467。
 支出 会誌発行・発送費30,000、総会・研究会開催補助費30,000、会誌頒布費、
20,000、役員交通費補助250,000、通信費20,000、ホームページ開設・維持費20,000
、その他156,467、合計526,467。
 「会誌」の赤字分を、今年度「その他」の経費から補填したいと思います。また、役員会の交通費として、250,000円を計上しましたが、これは役員会の交通費は出すことになっており,年2回全員が出席することを前提に予算を組むとこのようになるためです。

質問1(長谷川氏)
 大会参加費が予算が組み込まれていないが,どうしてか?
回答 (渡部森哉事務幹事)
 今年度から大会参加費は別会計とする。
質問2(長谷川氏)
 そのお金は何に使っているのか?
回答 (渡部森哉事務幹事)
 会場設営費やレジュメ代として使用しています。
質問3(加藤氏)
 学会登録を前提とするならば、会費の中に会誌代を組み込むのが当然ではないか。
回答(議長)
 報告事項のその他で回答する予定でして、それでよろしいでしょうか。
 
 1999年度予算案を出席会員の拍手により承認した。

7 その他
 役員会からの報告(渡部事務幹事)
会費2,000円、会誌2,000円では予算がたてにくいため、次回からは会誌代も含めたも
のとして値上げを予定しております。いまのところ、年会費は4,000円以上になると
みられます。
質問1(加藤氏)
 会誌をうまく発行出来ないから値上げするのではなく、学会のためレベルアッする
、という意味で、会誌代を会費に含めるべきである。
回答(渡部事務幹事)
 学会登録条件としての年一回の会誌発行について,会費で発行するか,別途販売す
るかで扱いが異なるかどうか,問い合わせをして検討したい。
回答(関 編集委員)
 会費に会誌を含めることに関しては、会則の変更が必要であるが、今回はその代案
を作ることができなかった。
質問2(加藤氏)
 レベルアップを目指すならば,古代アメリカ研究会における研究発表会の位置づけ
をどうするかを考えなければならない。現在では研究会と研究発表会が別々に行われ
ているが,学会登録を目指す際にまずいのではないか。
回答(渡部事務幹事
 役員会で検討致します。
質問3(青山氏)
 学部学生を除いた会員数は何人か?
回答(渡部事務幹事) 
 83名です。 

その他の質問なく、拍手をもって第4回総会は終了した。


古代アメリカ研究会第4回研究発表会

 第4回総会後、以下の5人の方々から最新の研究成果を発表していただきました。

1 「ペルー形成期の鐙型ボトルの成形方法」
鶴見英成(東京大学大学院)
2 「モチェにおけるアドベ研究の現状と可能性」
徳江佐和子(日本学術振興会特別研究員)
3 「製粉具から見た精神文化に関する一試論−マヤ地域を中心に−」
多々良穣(東北学院榴ケ岡高等学校)
4 「ニカラグア考古学紹介」
長谷川悦夫(東京大学大学院)
5 「メキシコ,テオティワカン月のピラミッドの調査」
杉山三郎(愛知県立大学)


新入会員名簿一覧

 5月15日の役員会、及びその後の役員間の連絡で以下の方々の入会が認められま
した。
太田 耕一郎、佐々木 紫乃、高須賀 由美、鳥塚 あゆち、中村 真理、野村 裕
子、広田 健、義井 豊、吉田 晃章、渡部 哲也、
 また、赤羽史夫、貞末堯司の両名から脱会の申し出がありましたので、5月15日
の役員会で承認しました。

 6月1日現在会員数は101名となっております。


会誌「古代アメリカ」寄贈先一覧

現在以下の50機関に会誌を寄贈しております。

山形大学人文学部文化人類学研究室 筑波大学歴史・人類学系
茨城大学人文学部文化人類学研究室 埼玉大学教養学部文化人類学研究室
埼玉大学教養学部考古学研究室 千葉大学文学部文化人類学研究室
東京大学文学部考古学研究室 東京大学教養学部文化人類学研究室
新潟大学人文学部文化人類学研究室 金沢大学文学部考古学研究室
金沢大学文学部文化人類学研究室 名古屋大学文学部考古学研究室
名古屋大学人間情報学文化人類学研究室 京都大学文学部考古学研究室
大阪大学文学部考古学研究室 大阪大学人間科学部文化人類学研究室
大阪外国語大学外国語学部 九州大学文学部考古学研究室
熊本大学文学会 愛知県立大学文学部
神戸市外国語大学外国語学部 城西国際大学人文学部
國學院大学文学部考古学研究室 上智大学イベロアメリカ研究所
東海大学文学部 明治大学文学部考古学研究室
立教大学ラテンアメリカ研究所 早稲田大学文学部考古学研究室
神奈川大学外国語学部 南山大学文学部文化人類学研究室
南山大学ラテンアメリカ研究センター       京都外国語大学メキシコ研究センター
天理大学国際文化学部 国立民族学博物館
国立歴史民俗博物館 (財)遠山記念館
日本考古学協会 日本考古学会
考古学研究会 東京国立文化財研究所
奈良国立文化財研究所 出光美術館
北海道立北方民族博物館 財団法人 古代学協会
たばこと塩の博物館 ラテン・アメリカ協会
日本民族学会 (財)高梨学術奨励基金
日本貿易振興会・アジア経済研究所       国会図書館・国内資料課


研究点描

 1998年から,筆者は東京大学総合研究博物館所蔵の南米アンデスのタラコ遺跡か
ら出土した土器の分析をはじめました。この遺跡を発掘調査したのは,故曾野寿彦東
京大学教授とされていますが,フィールドノートをはじめ,一切の記録類が存在しま
せん。唯一,遺物袋に注記された,遺跡名・調査区名・人工層位・調査日等の利用が
可能です。
 また,タラコという地名は,現在のペルー共和国プーノ県と,ボリビア共和国ラ・パ
ス県にあります。どちらで発掘調査されたのかを知る手掛かりに,東京大学総合研究
博物館の丑野毅先生に見せて頂いたタラコ遺跡出土の拓本があります。この拓本は石
彫から採られたもので,その特徴からティティカカ湖南部のタラコ半島で出土した石
彫に類似してます。そのため,現段階ではティティカカ湖北西部のペルー領タラコで
はなく,類似した石彫の認められるボリビア領タラコから発掘された資料と考えてい
ます。
 この発掘資料の主体は人工層位の単位ごとに採取された土器群です。調査は主にピット1(TA.P1 )とピット2(TA. P2 )の掘削を中心としており,実見した資料の大
半はこの2箇所の試掘壙から得られたものです。他には,TA.C2,TARAC O ,タラコ
北マウンドと注記されたものもあります。ピット1の資料は,表土以下−145cmまで
は25cm単位を目安に採取され,ここから−275cmまでは20cm単位で採集されています
。-275cm以下,-325cmまでは再び25cm単位に戻っています。最下層では刻文彩色土器が主体を占めますが,上層になるに従い無文の粗製土器が多くなり,最上層付近になると,インカ・スタイルも土器組成の中で構成する比重が大きくなっています。ピッ
ト2の資料も表土下層から,8層の-200cmまでは25cm単位で遺物の採集が行われてい
ます。9層以下は20cm単位で採取されています。土器の特徴はピット1とほぼ同じ傾
向をたどっています。

 現在は注記された人工層位単位で遺物の破片点数を計算し,次に口縁部を中心に実測作業を行っています。今後は実測結果をもとにタラコ遺跡の土器編年を確立する予定です。この資料は粗製土器を中心としており,従来不明確であった粗製土器の編年に一つの道筋をつけることができれば幸いと考えています。
 それにしても,この資料がボリビア領のタラコ遺跡とすれば,近接するティワナク遺
跡から特徴的なティワナク・スタイルが大量に搬入されても良いと考えていましたし
,期待もしていました。しかし,すべての資料を見終えた今,ティワナク・スタイル
は極めて少量しか存在しないことがわかりました。これが遺跡全体にいえることなの
か,調査区が小規模であるため,生じた特徴であるのか現在のところ不明です。1年
ないし2年後に整理を行い,発表する予定です。

(京都市埋蔵文化財調査センター 馬瀬智光)


事務局からのお知らせ

1 古代アメリカ研究会ホームページ開設
現在,南イリノイ大学に留学しておられる松本剛氏のご協力のもと,「古代アメリカ
研究会のホームページ」が開設されました。内容は,事務局からのお知らせ,会報・会誌,情報交換のための掲示板,お問い合せの項目しかありませんが,今後会員のみ
なさまのご要望に答えながら内容を充実させていこうと考えています。みなさんからのご意見・ご要望をお待ちしております。

2 会員募集
 学術会議へ登録に必要な会員数まであとわずかです。古代アメリカに興味をもつ方
々にこの研究会への参加を呼びかけてください。事務局に連絡を下されば申込用紙を
郵送いたします。

3 「会報」掲載文の募集について
 会員のみなさまで,「今,私はこのような研究を行っています」,「ある分野に興味はあるが,どうしたら資料や文献が集まるのかわからない。」「「会誌」に掲載を考えてい るが,他の会員に自分の研究テーマの問題点を指摘してほしい。」、と言ったことがありましたら,編集委員まで文章を送ってください。「会報」第7号に掲載したいと思います。

4 会費について
まだ99年度の会費を納入しておられない方は,同封の振込用紙にてお支払い下さい。

5 会誌販売について
 会誌を一冊2000円で販売しております。会誌購入の希望の方は郵送料(1冊240円、2、3冊390円)を含め、事務局の郵便振替口座にお振り込み下さい。なお、通信欄に会誌購入の旨、及び購入希望の号数を明記して下さい。会誌の内容についてはホームページに目次を紹介しております。


編集後記
 
 この「会報」も第6号になりました。第5号では3人の方から投稿文を寄稿していたただき,「会報」本来の役割である会員相互の情報交換の場として一定の役割を果たせたことを喜びました。しかし,この第6号は,古代アメリカ研究会第4回総会・研究会の報告を主目的にしたため,会員の方々からの情報を寄せることができませんでした。編集者として反省しきりです。
 言い訳にしかなりませんが,ホームページも内容は未完成ながら開設することができました。今後はホームページと「会報」を会員間の情報交換の両輪として機能させ 、より一層、会員のみなさまのご期待に沿える研究会にしたいと考えております。

(T.U)